皆さんは、自分の所属しているチームや組織の居心地がいいと感じていますか?
チームというと、会社全体もそうだし、あなたの所属している部署もそう。
有志で集まった同好会やサークル、実行委員会なんかもチームですね。
あるいは、何かスポーツをやっている人ならまさにそこにもチームがありますよね。
今までに所属してきた様々なチームを思い返しても、居心地のいいところと、そうでないところとあったと思いますが、その違いはどこにあるのでしょうか。
あなたがリーダーの立場なら、メンバーから「居心地がいいな」と思われたいはずですね。
そこで今回の記事では、「チームの居心地」について考えていきます。
この記事を読むと……
●「居心地のいいチーム」と「成果の出るチーム」の違いがわかる
●成果が出て、居心地もいいチームの条件がわかる
●居心地良く過ごすコツがわかる
もくじ
チームの居心地と成果の関係とは?
クリエイティブに成果の出せるチームには、思考スタイルの多様性も欠かせない
新しい価値を生み出したり、直面した課題を乗り越えたりと、チームでクリエイティブに活動して成果を残すためには、多様性は欠かせません。
物事を同じような角度で捉えたり、近い考えを持っている人ばかりが集まっていると、アイデアや視点にも偏りが出て、どん詰まりになってしまうのは容易にイメージができると思います。
下記の記事でも触れたように、
●全体像を捉えるのが得意な人がアイデアやコンセプトを出す
↓
●論理的に考えられる人がそのアイデアを戦略に落とし込む
↓
●対人の上手な感覚派が、他のメンバーに伝えて巻き込む
↓
●元々のコンセプトから外れていないかチェックする
↓
●細かい計画や作業の得意な人が、具体的なスケジュールやタスクに落とし込んで実行する
という流れができると、プロジェクトはうまく回りやすくなります。
成果を出すには、色々なタイプの人がそれぞれの強みを発揮する必要があるんですね。
居心地は、人間関係に大きく左右される
「今いる職場の居心地はどうか?」と聞かれて、人間関係のことを考えない人はほとんどいないでしょう。
他のメンバーとうまくいっているかどうかは、そのチーム内の居心地を大きく左右します。
そして、「人間的に合うか合わないか」を決定づけるひとつの要素は、考え方や思考スタイル。
お互いの考えていることがなんとなくわかるとか、気が合う相手だと、一緒にいてとても楽ですよね。
反対に、周りにいるのが思考スタイルの違う人ばかりだと、「共感」できないことが多く、どうしてもストレスを感じやすくなってしまいます。
つまり、多様性があって色々な思考スタイルの人がいるチームには、高確率で「合わない」と感じてしまう人がいるものなのです。
「居心地が良くて、どんどん成果も出せるチーム」をつくる難しさは、実はここにあります。
「成果」と「居心地」を両立するチームの特徴とは?
1.心理的安全性が確保されている
こちらの記事で取り上げた「心理的安全性」は、チームの居心地を決定づける大きな要因になります。
心理的安全性とは、不安や恐怖を感じることなく、言うべきことやアイデアをきちんと発言したり、行動を起こしたりできる状況のこと。
チーム内で平等に発言の機会が与えられていたり、アイデア出しや行動に対してしっかり評価する土壌が根付いていると、自分の意見を言いやすいですよね。
反対に、出る杭が打たれる雰囲気だったり、反対意見に強く当たるリーダーがいるようなチームだと、安心して思ったことを言えません。
どちらのチームの居心地がいいかは、一目瞭然。
「風通しがいい」と口で言うのは簡単ですが、実態が伴っているかどうか、一度チームを見渡してみてはいかがでしょうか。
2.話ができる環境が整っている
チームにおけるコミュニケーションの基本にあるのは、やはり会話。
ふとしたときに気軽な雑談ができて、きちんと膝を突き合わせて話をする場では心配事や不満についても忌憚なく話せて、聞いてもらえる。
そんな環境がうまく設計されているチームなら、安心して所属していられるでしょう。
話のできる環境が整っていないと感じるなら、まずはリーダーから意識的に声掛けをしてみたり、定期的な面談の場を設けるなどして、少しずつ変えていけるといいですね。
3.違いを認め合い、理解しようとする風土がある
多様性のあるチームでは、考え方や志向、好き嫌い、得意不得意の違いが色々な場面で顕著に表れてくるものです。
表面的な違いだけを切り取って「あいつは変わっている」「あの人とは合わない」と決めつけるチームの居心地はよくありませんよね。
先に書いた「話ができる環境」ともつながりますが、お互いの違いを認め合い、会話や対話を通して理解し、さらにチームとして活かせるようにポジティブなものにしていく風土が、居心地のいいチームづくりの大きな要素になります。
4.ビジョンや目標が明確で、共有できている
居心地とは関係ないように見えるかもしれませんが、意外とこれは重要なポイントです。
中長期的なビジョンと、当面の目標が明確になっていないと、何につながるかもわからず、淡々と自分の仕事を進めることになってしまいます。
また、それらが共有されていないと、「なぜあの人と自分の仕事にこんな違いがあるんだろう」という疑問につながります。
チームメンバーで「これを目指すぞ」という明確な目標が共有できてこそ、疑問を抱くことなく自分の役割に専念できるんですね。
居心地よく過ごすためのコツ
チームとしてそれなりに成果は出ているものの、個人的にはあまり居心地がよくない。
上で書いたようなチームに変えるような、リーダーの立場にもない・・・。
そんな人のために、少しでも今いるチームで居心地よく過ごすコツを最後に紹介します。
1.「人は違う」ということを認める
「認め合う」ことは相手の理解も必要ですが、「認める」だけなら自分の意識次第です。
まずは、「人によって考え方や感覚、得意なことは全く違う」ことと「いいチームには、違う人がいて当然」ということをしっかり認識して、個性の違いを認めるマインドに切り替えてみましょう。
「あの人はこういう捉え方をするタイプなんだな」
「だから○○は苦手だけど、▲▲が得意なんだ」
こんなふうに考えることができたら、合わない人とのコミュニケーションも、少しだけスムーズにいく気がしませんか?
2.相手の言うことを否定しない
どんなアイデアや考えも、まずは受け止める姿勢を持ちましょう。
そうすることで、無用な摩擦を避けることができるだけでなく、少しずつあなた自身の考え方も柔軟になっていくはずです。
否定しない姿勢は、どちらかというと周りの人の居心地をよくするだけに見えるかもしれませんが、あなたが変わることで、周りの人のあなたを見る目も変わります。
「彼なら、私のアイデアも真剣に考えてくれるから、思いきって話してみようかな」
「彼女が会議に参加していると、ポジティブな雰囲気になるね」
「部長に相談する前に、一度彼の意見を聞いてみたいな」
ほかのメンバーからこう思ってもらうことができたら、あなた自身の居心地もグッとよくなる気がしませんか?
3.気軽に話せる人の範囲を広げる
メンバー全員と仲良くなれれば当然居心地は良くなりますが、立場も相性もあるので、それは現実的ではありません。
しかし、気軽に話せる人を増やしておくだけでも、環境は全く変わるはずです。
普段やりとりしない部署のリーダーに話をしにいくときに、その部署に相談できる同期がいると楽ですよね。
あるいは、誰かとすれ違いざまにひと言ふた言世間話を交わせるだけでも、ちょっと楽しい気分になれたりします。
無理やり色々な人とコミュニケーションを取ろうとする必要はありません。
ただ、たまたま休憩室で一緒になった人と話せる小ネタをいくつか持っておくだけで、関係性を築くきっかけになるものです。
今までよりも、ほんの少しだけ意識して雑談をふるようにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、「チームの居心地」について考えてみました。
「成果の出せるチーム」にはメンバーの多様性が必要ですが、自分と違う思考スタイルの人に囲まれていると、どうしても居心地の悪さを感じてしまうもの。
そこで、お互いの違いを認め合ったり、きちんと対話のできるチームをつくることで、成果と居心地を両立していく必要があります。
リーダーの立場なら、自分から発信してそうした環境を作り出すこと。
それ以外の人でも、まずは自分から相手への理解を示したり、話をきちんと聞いたりして、少しずつチームの雰囲気を変えていくことができます。
成果だけでなく、居心地のよさも追求して、継続性のあるチームづくりを目指しましょう。