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効き脳(脳のクセ)から読み解く!「話が噛み合わない人」の謎と解決法

職場や学校、サークルなど、どんなコミュニティであっても、「あの人、いつも話がうまく噛み合わないんだよな」という人はだいたいいるものですよね。

致命的に理解力がないとか、全然人の話を聞いてくれないわけではないのだけれど、「どうもこちらの言っていることにピンとこない」とか、「変なところに引っかかって会話が止まる」みたいなケース、皆さんも思い当たる節があるんじゃないでしょうか?

今回はそんな人間関係の謎を、「効き脳」という考え方を使って解きほぐしていきます。

この記事を読むと・・・

●人がとっさになにを考えるかという「脳のクセ」がわかります
●特定の人と話が噛み合わない原因がわかります
●他の人と考え方が異なることを受け入れられます

ぜひ、最後までチェックしてみてください!

人によって「思考のクセ」は違う!

アツシ
ということで、「話が噛み合わないなぁ」っていう人、身の回りにいる?
カズヤ
う〜ん・・・そうだなぁ。あ、会社にいるかも。
アツシ
どんな人?
カズヤ
その人に仕事をふることが多いんだけど、どうも指示の仕方が合わないというか、まだるっこしいんだよね。
「◯◯の目的で●●をやるから、そのための△△を作ってほしい」ってお願いするんだけど、ものすごく細かいところまで聞かれたりとか。
アツシ
どんなことを?
カズヤ
例えば、資料の色味だったり、進め方の手順だったり。僕としては、そこらへんはその人のやりやすいようにやってもらえばいいと思っているし、逆にそこまで指示されるとやりにくいんじゃない? と思うんだ。
アツシ
そうなんだね。そうやって本人に伝えたことはある?
カズヤ
一応、あるにはあるんだけど、「でもそこは指示がないと困る」って言うんだ。仕方なく、細かい指示を出していたんだけど、目的やゴール地点を伝えているんだから、それさえ守ってくれれば何でもいいと思うんだよね。
アツシ
なるほどね。じゃあ、コミュニケーションを重ねても、仕事をふるたびに同じようなチグハグ感を感じているんだね。
カズヤ
そうなんだよね。その人自身は、特別能力が低いわけじゃないんだけど、こういう部分はどうにも噛み合わない。何でだと思う?
アツシ
それはね、きっと「効き脳」の違いだね。
カズヤ
効き脳?
アツシ
そう。「思考のクセ」みたいなものなんだ。じゃあ試しに、下の質問に答えてみてくれる?

「とっさに思うこと」で、自分の効き脳を知ろう!

下のような場面に遭遇したとき、それぞれの場面であなたはまずどんなことが気になりますか?
直感的に最初に気になったことを、ひとつずつ書き出してみてください。

シーン1

あなたはシェアハウスをしています。
ある日、ルームメイトの友人が「今度、友人を招待してパーティー開くよ! 準備してね」と一言。
こう言われて、まず何が気になりましたか?

シーン2

あなたが所属している職場で、部署のトップから言われました。
「今度、うちの新しいオフィスができるから、君にはそこの責任者をやってもらいたい」。
言われてまず気になったのは、どんなことでしたか?

さあ、それぞれ、何が気になりましたか?
あれこれ考えだすと、どれも気になってくると思いますが、ポイントは「直感的に、どこが気になったか?」です。

大きく、下のA〜Dの4パターンのどれかに近いものではありませんでしたか?

【A】
何のためのパーティなんだろう
なぜパーティを開くんだろう
なぜ新しいオフィスを作るんだろう
・オフィスを分けて効率が落ちないかな

【B】
・自分は何を任されるんだろう
どんな手順で動けばいいんだろう
いつ実施するんだろう
・移動の計画はどうなっているんだろう

【C】
誰が参加するんだろう
自分の知らない友人も来るのかな
誰が自分のチームに配属されるんだろう
・オフィスのメンバーとうまくやれるかな

【D】
どんなパーティだろう
・どうしたら面白いパーティになるかな
どんなオフィスだろう(どんなオフィスにしようかな)
・新しいオフィスで何を変えていこうかな

「脳のクセ」は、どんなことが気になるか、何を自然に考えるかに表れます。

もちろん、その人のもつバックグラウンドや役割、状況によっても左右されるので、上記の2例だけではサンプル数が少なすぎますが、もっと多くのシーンで思考実験をしていくと、ほとんどの人がA〜Dのいずれか1つか2つに偏る傾向が見られるはずです。

効き脳=利き脳=その人の自然な思考

上にも書いた通り、効き脳というのは「脳のクセ」であり、その人の最も自然な思考のこと
思考の特性や、物事の捉え方とも言いかえられます。

効き脳は、「ハーマンモデル」と呼ばれる、脳の中の「大脳新皮質or辺縁系」「右脳or左脳」のどこを使うかによって機能(どう考えるか)が変わってくる、という脳科学の理論に基づいた考え方です。

「効き脳」は「利き脳」と書くこともあります。
「利き手」「利き足」と同じですね。

人は、顔にボールが飛んできたら、とっさに手で顔を守ります。
そのとき、特に意識することなく利き手を出しますよね。

効き脳(利き脳)もそれと同じで、とっさに脳のどこを使うのか=何を考えるのか、を示すものなんですね。

「合わない人」とのコミュニケーションは、違いを認めるところから

効き脳4タイプの特徴

では、A〜Dにはどんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

Aタイプ 理性人

論理的で分析的な思考を好み、想像よりもデータや先例に基づいた事実を重視する。
じっくり考えるタイプで、物事を分析的、批判的に捉える傾向が強い。

Bタイプ 堅実人

計画的で、順序や体系、手続きや規律を重視する。
細かい作業でもくり返し実践できるタイプで、ミスも起こしにくい。

Cタイプ 感覚人

人間関係や、人と人との和、場の雰囲気を重視する。
フィーリングを大切にするタイプで、人の態度などへの感受性が高く、他人への気遣いができる。

Dタイプ 冒険人

直観的で、全体性やビジョンを重視する。
想像力が豊かでアイデア豊富なタイプで、コンセプトを考えたりするのが得意。

しつこいくらい書きますが、これは「脳が自然にこんなふうに考える」というもの。
能力や思想とかに関係なく、無意識のうちに思ったり考えたりする脳の特徴なんです。

だから、タイプによる優劣があるとか、どれが正しい、という話ではないので、そこは注意してください。

より細かく診断してみたい! という方はこちらからお気軽にお問い合わせください。
簡単なコメントと合わせて提供させていただきます!

「効き脳」の違いが、コミュニケーションのすれ違いを生むことも

アツシ
この話を踏まえて、さっきのケースを考えてみよう。まず、君の効き脳はきっとDやAのタイプだよね。
カズヤ
うん、そうだね。物事の全体像から捉えようとするし(D)、できるだけロジカルに考える(A)タイプだと思う。
アツシ
それに対して、さっき言ってた会社の人は、きっとBタイプなんじゃないかと思うんだ。
カズヤ
Bタイプは・・・手順とか計画を重視するタイプかぁ。なるほど、だから「どのように進めるのか」が気になるんだね。
アツシ
そう。君の「◯◯の目的で●●をやるから、そのための△△を作ってほしい」っていう依頼は、物事の全体像を捉えようとするD脳的な指示の仕方になる。
だから、Bタイプの人からすると「そんな抽象的な指示じゃわからないよ」ってなりがちなんだ。
カズヤ
う〜ん、なるほど。そもそもそういう脳の特性ってことなんだね。
アツシ
まず、そこが理解できると、「なんであの人との会話はうまくいかないんだろう」っていうストレスが、少し軽減されたり、その人に歩み寄れる気がしない?
カズヤ
確かに、そのメカニズムがわかると、それも仕方なかったのかなって思えるよ!
カズヤ
じゃあさ、効き脳のタイプが違う人とうまくコミュニケーションを取るときは、どうしたら良いのかな?
アツシ
それが気になるところだよね。実は、タイプごとに適した声のかけ方っていうのがある。
さらに、効き脳は各タイプ間で関係性や相性が変わってくるんだ。
詳しくは、次回の記事で解説していくよ。

今回の記事のまとめ

  • 人それぞれ「脳が自然に発揮できる思考のスタイル」がある
  • これを「効き脳」と呼び、人によってまったく違う
  • 異なる効き脳タイプの人とは、話が噛み合いにくいことがある
  • まずは「自分と違う思考スタイルの人がいる」ということを理解することが大切

 

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