職場や学校、サークルなど、どんなコミュニティであっても、「あの人、いつも話がうまく噛み合わないんだよな」という人はだいたいいるものですよね。
致命的に理解力がないとか、全然人の話を聞いてくれないわけではないのだけれど、「どうもこちらの言っていることにピンとこない」とか、「変なところに引っかかって会話が止まる」みたいなケース、皆さんも思い当たる節があるんじゃないでしょうか?
今回はそんな人間関係の謎を、「効き脳」という考え方を使って解きほぐしていきます。
この記事を読むと・・・
●人がとっさになにを考えるかという「脳のクセ」がわかります
●特定の人と話が噛み合わない原因がわかります
●他の人と考え方が異なることを受け入れられます
ぜひ、最後までチェックしてみてください!
もくじ
人によって「思考のクセ」は違う!
「◯◯の目的で●●をやるから、そのための△△を作ってほしい」ってお願いするんだけど、ものすごく細かいところまで聞かれたりとか。
「とっさに思うこと」で、自分の効き脳を知ろう!
下のような場面に遭遇したとき、それぞれの場面であなたはまずどんなことが気になりますか?
直感的に最初に気になったことを、ひとつずつ書き出してみてください。
シーン1
あなたはシェアハウスをしています。
ある日、ルームメイトの友人が「今度、友人を招待してパーティー開くよ! 準備してね」と一言。
こう言われて、まず何が気になりましたか?
シーン2
あなたが所属している職場で、部署のトップから言われました。
「今度、うちの新しいオフィスができるから、君にはそこの責任者をやってもらいたい」。
言われてまず気になったのは、どんなことでしたか?
さあ、それぞれ、何が気になりましたか?
あれこれ考えだすと、どれも気になってくると思いますが、ポイントは「直感的に、どこが気になったか?」です。
大きく、下のA〜Dの4パターンのどれかに近いものではありませんでしたか?
【A】
・何のためのパーティなんだろう
・なぜパーティを開くんだろう
・なぜ新しいオフィスを作るんだろう
・オフィスを分けて効率が落ちないかな
【B】
・自分は何を任されるんだろう
・どんな手順で動けばいいんだろう
・いつ実施するんだろう
・移動の計画はどうなっているんだろう
【C】
・誰が参加するんだろう
・自分の知らない友人も来るのかな
・誰が自分のチームに配属されるんだろう
・オフィスのメンバーとうまくやれるかな
【D】
・どんなパーティだろう
・どうしたら面白いパーティになるかな
・どんなオフィスだろう(どんなオフィスにしようかな)
・新しいオフィスで何を変えていこうかな
「脳のクセ」は、どんなことが気になるか、何を自然に考えるかに表れます。
もちろん、その人のもつバックグラウンドや役割、状況によっても左右されるので、上記の2例だけではサンプル数が少なすぎますが、もっと多くのシーンで思考実験をしていくと、ほとんどの人がA〜Dのいずれか1つか2つに偏る傾向が見られるはずです。
効き脳=利き脳=その人の自然な思考
上にも書いた通り、効き脳というのは「脳のクセ」であり、その人の最も自然な思考のこと。
思考の特性や、物事の捉え方とも言いかえられます。
効き脳は、「ハーマンモデル」と呼ばれる、脳の中の「大脳新皮質or辺縁系」「右脳or左脳」のどこを使うかによって機能(どう考えるか)が変わってくる、という脳科学の理論に基づいた考え方です。
「効き脳」は「利き脳」と書くこともあります。
「利き手」「利き足」と同じですね。
人は、顔にボールが飛んできたら、とっさに手で顔を守ります。
そのとき、特に意識することなく利き手を出しますよね。
効き脳(利き脳)もそれと同じで、とっさに脳のどこを使うのか=何を考えるのか、を示すものなんですね。
「合わない人」とのコミュニケーションは、違いを認めるところから
効き脳4タイプの特徴
では、A〜Dにはどんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
Aタイプ 理性人
論理的で分析的な思考を好み、想像よりもデータや先例に基づいた事実を重視する。
じっくり考えるタイプで、物事を分析的、批判的に捉える傾向が強い。
Bタイプ 堅実人
計画的で、順序や体系、手続きや規律を重視する。
細かい作業でもくり返し実践できるタイプで、ミスも起こしにくい。
Cタイプ 感覚人
人間関係や、人と人との和、場の雰囲気を重視する。
フィーリングを大切にするタイプで、人の態度などへの感受性が高く、他人への気遣いができる。
Dタイプ 冒険人
直観的で、全体性やビジョンを重視する。
想像力が豊かでアイデア豊富なタイプで、コンセプトを考えたりするのが得意。
しつこいくらい書きますが、これは「脳が自然にこんなふうに考える」というもの。
能力や思想とかに関係なく、無意識のうちに思ったり考えたりする脳の特徴なんです。
だから、タイプによる優劣があるとか、どれが正しい、という話ではないので、そこは注意してください。
より細かく診断してみたい! という方はこちらからお気軽にお問い合わせください。
簡単なコメントと合わせて提供させていただきます!
「効き脳」の違いが、コミュニケーションのすれ違いを生むことも
だから、Bタイプの人からすると「そんな抽象的な指示じゃわからないよ」ってなりがちなんだ。
さらに、効き脳は各タイプ間で関係性や相性が変わってくるんだ。
詳しくは、次回の記事で解説していくよ。
今回の記事のまとめ
- 人それぞれ「脳が自然に発揮できる思考のスタイル」がある
- これを「効き脳」と呼び、人によってまったく違う
- 異なる効き脳タイプの人とは、話が噛み合いにくいことがある
- まずは「自分と違う思考スタイルの人がいる」ということを理解することが大切