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売れティーUX講座vol.1| UI、CX、DX、CS・・・用語の違いと関係

「モノではなく、体験を売る」なんて言われるようになって久しい昨今。

「体験」を象徴する概念のひとつとしてUXという言葉も耳に馴染んできた人も多いと思いますが、意味をスパッと答えるのって難しいですよね。
特に、UIやCX、あるいはDXなど、似たような用語との違いは? なんて聞かれると、アワアワしてしまう人も少なくないのではないでしょうか。

今回の記事では、選んでもらえる商品づくり、広告づくりに欠かせない「UX」の概念を再確認しつつ、他の用語との違いを明確にしていきます。

この記事を読むと……

●UXのざっくりした概念を知ることができます
●UXと、似たほかの用語との違いと関係性を理解できます

UXって何だっけ?

カズヤ
さて、本格的にUX講座のコーナーを立ち上げることにしたよ!
アツシ
突然どうしたの?
カズヤ
どんな企業でも、顧客の体験を設計することは今の時代必要だから、このブログでもUXについて学んでいこうと思ってね。
アツシ
それはそうだね。で、連載にするわけだ。
カズヤ
そう。ということで、初回はUXの用語について確認していくよ。

UXは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、直訳すると「ユーザー体験」となります。

もう少し詳しく言うと、モノやサービスの利用者(ユーザー)が、 そのモノ・サービスを通じて得られる体験・感情のこと。
Web業界で使われることの多い言葉なので、「Webサイトにおける体験」と解釈されていることもありますが、基本的にはどんなモノやサービスにも適用される概念です。

以下、UX等に関する文脈では、モノ・サービスもWebサイトもひっくるめて「商品」と表現しますね。

UX白書(※)では、UXはその商品を使用している間だけでなく、使用前後の商品にまつわる体験も含まれると記載されています。
簡単に言うと、新商品が発売されるという情報を得たり、発売を楽しみにしたり、使ったあとで評価したり、知人にシェアしたり(詳しくば別の記事で取り上げます)、そんな体験や感情も含めて「UX」になるんですね。

※UX白書・・・30人の専門家がユーザーエクスペリエンスの概念について議論し、それをまとめて2010年に発表された文書。

UXと似た用語との違いと関係性とは?

まぎらわしい用語を整理しよう

カズヤ
UXってさ、似たような用語が色々あってややこしいんだよね。
アツシ
UIやCXとの違いとか、とっさに答えられなかったりするよね。
カズヤ
パッと思いつくものだと、UI、CX、CS、DXあたりかな。じゃあ、まずはこれら一つひとつの言葉の意味をチェックしたあとで、UXとの違いと関係性を解説していこう。

【UI】User Interface|ユーザーインターフェース
モノやサービスの利用者(ユーザー)とデバイスなどの接点

【CX】Customer Experience|カスタマーエクスペリエンス
顧客(カスタマー)が、企業とのタッチポイント全般を通じて得られる体験

【CS】Customer Sutisfaction|カスタマーサティスファクション
顧客(カスタマー)の、モノ・サービスに対する満足度

【CS】Customer Success|カスタマーサクセス
顧客(カスタマー)の成功

【DX】Desital Transformation|デジタルトランスフォーメーション
IT技術を活用してビジネスのやり方を改善し、より大きな価値を顧客に提供すること

こうして言葉と意味を並べただけでも、嫌になる人もいるのではないでしょうか。

「CS」は2種類出ていますが、「カスタマーサポート」を指す場合もよく見かけると思います。
「CS(カスタマーサティスファクション)を実現するためのCS(カスタマーサポート)」なんて、実にややこしいですよね。

次から、UXと他の用語を比較してさらに整理していきましょう。

UXとUI

まずは、UXと比較されることの多いUI(ユーザーインターフェース)。
この違いを知っている人は多いかもしれませんね。

一言でいうと、商品に関わるあらゆる体験を表すUXに対して、UIはその商品との具体的な接点のことを示します。

Webサイトで考えると、まずUXはモノを購入したりする体験はもちろんのこと、初めて見たときの印象やデザインに対する感想、目的のページにアクセスする体験、あるいは読み込みの遅さへのストレスなども含まれます。

これに対して、UIに当たるのはサイトのデザインそのものや、文字のフォント、ページ遷移のボタン、申し込みフォームなど。
ユーザーとの接点そのもののことですね。

一般的には、UIが悪いとUXも悪くなります(わかりにくサイトを使うことって、「いい経験」とは言えませんよね)が、反対にUIが良くてもUXがいいとは限りません(サイト自体が使いやすくても、重くて読み込みに時間がかかるとか)。

そういう意味で、「UIはUXの一要素」と言うことができます。

UXとCX

CX(カスタマーエクスペリエンス)という言葉も、ここ数年でよく聞くようになったのではないでしょうか。
UXが「ユーザーと商品」の関係性に着目した概念であるのに対して、CXは「企業と顧客」にフォーカスします。

つまり、「ウレティー株式会社」の「ウレ茶」という商品があった場合、UXは「ウレ茶を飲む人(ユーザー)が、ウレ茶に触れるときに得られる体験・感情」。
CXは「ウレ茶を買う人(顧客)が、ウレティー株式会社(とその商品)に関わるときに得られる体験・感情」を表すということです。

ウレ茶を気に入ればウレティー株式会社に対してポジティブな印象を抱きますが、ウレ茶を気に入っても他の商品やスタッフの対応が気に入らなければウレティー株式会社をネガティブに感じる可能性があるので、「UXはCXの一要素」という見方ができます。

UXとCS・DX

UI、UX,CXはいずれも企業・商品とユーザー・顧客との関係性に基づく概念ですが、CS(カスタマーサティスファクション/カスタマーサクセス)は顧客の状態、DX(デジタルトランスフォーメーション)は企業の活動を表す概念なので、少し毛色が変わります。

まず、DXはUX(UI、CX)設計から見ると、「UX改善のための手段」にあたると言えるでしょう。
IT化によって、ユーザー体験を改善する、ということです。

二種類のCSは、UX(UI、CX)設計の先にある概念であり、いわば「UXを改善する目的」という見方ができます。
顧客の満足度アップや課題解決(成功)のために、ユーザー体験を改善する、ということですね。

言葉の違いを把握して、きちんと共通認識を持とう

今回の記事では、UXのほか、5つの言葉の意味と関係性を解説しました。

これ自体がビジネスに直接役立つわけではないかもしれませんが、ビジネス用語は認識が曖昧だと、仕事での話にも食い違いが生じたり、チームの共通認識がないままプロジェクトが進んでしまうことがあります。

UX設計について考えるときは、「何のために」「どんなアプローチで」「何を」改善していくのかをチームやクライアントとしっかりすり合わせておくことが大切です。

次回からのUX講座コーナーでは、UX設計の考え方や目的について、どんどん掘り下げていきます!

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