前回の記事では、「効き脳」の各思考タイプの相性について解説しました。
効き脳タイプの違いによって、どういう関係になりやすいのか、コミュニケーションのスムーズさにどう影響するのか、というお話です。
相手の効き脳による効果的なコミュニケーションについても掲載しているので、未読の方はぜひ先にコチラの記事をご覧ください!
今回は、合わない相手がいることによってチームとしての仕事をしていく上で何が起こるのか、どういうメンバー構成が創造的な仕事には有効なのかについてのお話をしていきます。
この記事を読むと……
●個々人の違いの活かし方を理解することができます
●リーダーの人なら、チームメンバーの役割分担の判断軸ができます
●「合わない相手」の必要性を知ることができます
特に、チームを率いる立場の人は必見の記事です。
この記事を読んで、メンバーの違いを活かせるリーダーになってください!
前々回の記事から続く「効き脳三部作」の最後となります。
もくじ
創造的な仕事には、各効き脳タイプが必要
前回のおさらい 〜効き脳タイプには相性がある〜
まず、前回までの記事のおさらい。
効き脳にはA〜Dの4タイプがあり、それぞれにはこんな特徴があります。
相性としては、同じタイプの人は「自然と考えること」が近くなんとなく相手の思っていることがわかるので、コミュニケーションは非常にスムーズ。
一緒にいると楽な相手は、同じ効き脳タイプの持ち主である可能性が高いです(効き脳はA〜Dの複数にまたがることもあります)。
反対に、対角線上のタイプ同士は、相性としては最悪です。
発想がまったく正反対なので、「まったく理解できない存在」となってしまいます。
「合わない相手」はチームに必要?
一緒に仕事する仲間に、対角線上の効き脳が強い人がいると、どうしても関係性が悪くなりがち。
コミュニケーションにも齟齬が生じやすいので、ストレスがたまることも多いでしょう。
反対に、同じ効き脳タイプが集まっているチームの居心地はきっといいはずです。
こういうチームこそ、「自分にとっての理想のチーム」と言えるのでしょうか。
例えば、内容が明確で、目的や目標、作業内容がメンバー全員ですでに共有できているような仕事を進める場合。
同じ効き脳タイプをもっていると、自然とお互いの進め方などを理解し合えるので、非常にスムーズに進められます。
ところが、問題は新しいことに取り組んだり、課題にぶつかってそれを乗り越えていく必要が生じるような場合。
思考スタイルの近い人ばかりが集まっていると、考える方向性が偏ってしまい、なかなか進められなくなってしまいます。
・アイデアは出るものの、具体的なアクションプランになかなか落とし込めない
・やることはなんとなく定まったが、メンバーにうまく伝わらない、協力を仰げない
・課題と目指すべき目標があいまいで、チームが同じ方向を向いていない
こんな経験、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
プロジェクトの進行がいつも同じようなところで滞るチームには、特定の効き脳タイプのメンバーが足りないのかもしれません。
創造的な活動をチームでうまく回すには、あらゆるタイプの人材が必要。
逆に言うと、いいチームにはどうしても「コミュニケーションの相性がよくない人」がいるのは自然なことなんですね。
クリエイティブな仕事がうまく回る仕組み
では、各タイプが具体的にどのような働きをすると、仕事がうまく回るかをみていきましょう。
あくまでも「効き脳タイプだけに基づくと」という前提での一例ですが、各タイプの特徴と照らし合わせながらイメージしてみてください。
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1Dタイプがアイデア・コンセプトを考える
物事を全体像から考えることが得意なDタイプが、アイデアやコンセプトを提起します。
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2Aタイプが要件を定義づけする
論理的に考えることのできるAタイプが、STEP1で出てきたアイデアを実現できるように、具体的な戦略などに落とし込みます。
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3Cタイプが人に伝える(伝わるように加工する)
対人性の高いCタイプが、誰をどう巻き込むかを考えたり、内容を伝えるべき相手にうまく伝わるように情報を加工したりします。
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4Dタイプが確認する
メンバーがプロジェクトについて認識できた段階で、当初のコンセプトや目的からズレが生じていないか、Dタイプが確認します。
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5Bタイプが計画し・実行に移す
計画的で管理の得意なBタイプが、ここまでに立てた戦略を、より具体的なスケジュールやタスクに落とし込み、実行に移します。
【ケーススタディ】ゲーム会社のある企画チームの会話
もう少し、具体的にイメージするために、ゲーム会社に務めるAさん、Bさん、Cさん、Dさんのチームない企画会議の様子を見てみましょう。
実際には、ここまでわかりやすく話が進んでいくことはないでしょう。
ただ、スムーズに回転したプロジェクトを思い返してみてください。
大まかに、こんな感じの順番で流れていたりするのではないでしょうか。
人間関係の良好さも、成果を出せるチームの条件
人間関係のストレスは成果にも悪影響を及ぼす
役割をうまく回せるチームには、違うタイプの人が必要。
各メンバーの視点でいうと、成果を上げられるチームにはどうしても「合わない人がいる」ということにもなります。
では、いいチームで仕事するためにはある程度ギスギスしながらやっていくしかないのでしょうか。
答えはNOです。
メンバー同士がこんなふうに思っていて、それでもしっかり高い成果が出ている状況、イメージできますか?
職場内で慢性的に人間関係のストレスを抱えていると、きっとパフォーマンスにも影響が出ますよね。
人材も定着しないであろうことが予測されます。
本当に高い成果を出せるチームは、色々なタイプの人を抱えながら、人間関係も良好で、きっと少ないストレスの中で仕事ができていることでしょう。
「自分と違う人がいる」ことを受け入れよう
効き脳という、根っこに近い部分で合わない人ともうまくやっていくためのコツは、まず「自分とこの人はスタイルが違うんだ」と受け入れることです。
そして次のステップは、自分と違う部分を、その相手の「強み」として認めること。
どうですか?
AさんとCさん、「お互いが違う」という認識はさっきの例と同じですが、その違いを活かそうとしていますね。
このマインドがあれば、チーム内にいる「合わない人」の存在もプラスに捉えられるはず。
チーム全体でメンバー同士がこう思えるようになったとき、まったく思考スタイルの違う人たちの中に、クリエイティブで建設的なやりとりが生まれてくるんですね。