もくじ
「良いチーム」ってなんだろう
経営者やチームを率いるリーダーの立場の人は、組織のミッションを達成するための良いチームをつくり上げることがひとつの仕事になります。
では、「良いチーム」とはなんでしょうか。
・メンバー間の団結力が高いチーム
・お互いが切磋琢磨しながら成長できるチーム
・数字という結果を残せるチーム
・個々人の能力が高いチーム
色々な見方ができますが、チームビルディングでは、
- 各メンバーが、自分と他のメンバーの強みをお互いに把握していて
- 組織の目的の達成に向けて高いモチベーションで一丸となっていて
- メンバー同士が認めあい、やる気や能力を伸ばし合うコミュニケーションが取れる
という3つの要素が揃って「良いチーム」とされます。
わかるようでわからない・・・というのが正直なところからもしれませんね。
ひとつずつ掘り下げていきましょう。
チーム活性化の柱となる「3つの力」
人材力【お互いの強みを把握する】
まずひとつ目は「人材力」だよ。
人材力が高いっていうのは、各メンバーがお互いの強みを把握している状態のことを指すんだよ。
メンバーそれぞれが自分の強みを最大限発揮できているチームは、きっと成果を出しやすいはずですね。
では、あなたの「強み」はなんですか?
僕(カズヤ)なら、「文章スキル」とか「Webディレクション」と答えるでしょう。
アツシなら「コーチングスキル」や「営業」という答えが返ってくるかもしれません。
でも、これって、どんなときでも本当に強みだと言えるでしょうか。
たとえば、僕が一流のライター集団のチームに入って仕事をする場合、「文章スキルが強みです」とは言えません。
アツシも、歴戦の営業マンのチームでは、「営業」よりも「コーチングスキル」を強みとしたほうがよさそうですね。
チームにおける強みというのは、他の人と比べて楽に成果が出せる領域のことを指すんです。
さらに、ここでいう「楽に」というのは「自然に」とか「少ないストレスで」というニュアンスが近いかもしれません。
ある商品の魅力を人に伝えようとしたときに、僕だったらまずはきっと文章で組み立てようとします。
アツシの場合は、プレゼンという形でロジカルに説明しようとするかもしれません。
また、あれこれ準備せずとにかくエモーショナルに訴えかける人もいるでしょう。
それらが各々にとって自然にやっていること、もしくはノーストレスでできることだとすると、それは「楽にやれる」ということなんです。
それぞれの人がもつ「思考や行動の特性」とも言いかえることができます。
こういう部分を「強み」と表現するんですね。
リーダーには、部下の役割やタスクを割り振っていくという仕事もありますね。
その際「誰に何を任せるか」、何を基準にして考えているでしょうか。
単純に経験年数や慣例で決めてはいるリーダーも少なからずいるかもしれません。
でも、本来であれば各メンバーの「強み」が活きる仕事を任せたほうがいいのは当然ですよね。
そのためには、リーダーが部下の強みを把握している必要があります。
それだけでなく、メンバーそれぞれが自分と他のメンバーの強みを把握していることが大切。
「自分は丁寧な作業が得意だから、段取りが得意なAさんの作った工程表にしたがって作業しよう」と、現場レベルでもお互いの強みを活かし合い、補い合って動くことが可能ですよね。
「なんであの人と自分の任される仕事がこんなに違うんだ」という不満も生まれにくくなりますね。
こういう状態を「人材力が高い」と表現し、メンバーがいかんなく能力を発揮し、相乗効果を生みながら仕事をしていけるんです。
組織力【みんなで同じビジョンに向かう】
まず、ここでいう「目標」という言葉をはっきりさせておきましょう。
組織には必ずビジョンがありますね。
ビジョンは、組織が思い描くミッションを目に見える形として表したものです。
たとえば、Facebookは「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」をミッションに掲げています。
でも、これではやや抽象的ですよね。
あるスタッフは「ローカルコミュニティづくり」に精を出し、あるスタッフは「オンラインコミュニティ講座」を開くかもしれません。
ここで、「人々はFacebookを使って友達や家族とのつながりを保ち、世界で何が起こっているのかを発見し、彼らにとって重要なことを共有し表現する」というビジョンを掲げることで、スタッフ全員が同じところを目指せるようになる、というわけです。
つまり、「メンバーがビジョンを達成したいと強く思い、全員がそこに向かって一丸となっている状態」にあると、組織力が高いと言えますね。
組織力の高いチームは、ビジョンを達成していくためのエネルギーが活発ですね。
関係力【メンバー同士が認め合い、伸ばし合うスキル】
関係力は、メンバー同士がコミュニケーションをとって、お互いに認め合い、やる気や能力を引き出す力を表します。
関係力が高いと、各々が通常よりも高い能力を発揮し、一人では達成できないことを達成できるようになります。
言い換えると、一人では達成できないビジョンをクリアするために必要なのが関係力ということ。
さらに言えば、そもそも一人では達成できないビジョンをクリアすることがチームをつくる目的であるとも言えるでしょう。
チームのメンバー個々の能力は高くて、それぞれが結果を出していても、お互いに協力しあわない、コミュニケーションをとらないチームも中にはありますね。
こういうチームは、そもそも組織のビジョンが協力しなくても達成できる(チームでやる意味がない)ものに設定されているか、あるいはメンバーが「協力してまでやりたいと思っていない、つまり「組織力」がない状態ということなのでしょう。
成果につながる「3つの力」のサイクル
チームビルディングの考え方の前提のひとつに「人はそれぞれ違う」というものがあります。
これらの違いを理解して、お互いに強みを把握するのが人材力。
では、なぜたくさんの違いをもつ人同士が集まると思いますか?
それは、その組織の目指したい場所(ミッション)に対して共感を抱いている人たちだからです。
このミッションを見える化したビジョンを共有して、メンバー全員でビジョン達成に向かっていくのが組織力。
そして、そのビジョンが一人ひとりでは達成できないものだとしたら、メンバー同士で協力していく必要があります。
そのためにコミュニケーションをとって、お互いの能力を引き出し、高め合うのが関係力。
そして、メンバー同士協力していく中で、さらにまたお互いの違いや強みに気づき、人材力が高まっていきます。
強いチームの特徴は、このサイクルができ上がっていること。
【人材力ー組織力ー関係力】のサイクルができているチームは、結果を残すことができるだけでなく、メンバー各々が自律して自らビジョンに向かっていけるので、持続性も発揮されるんですね。
組織を率いる経営者やリーダーの立場にあって、チームづくりに悩んでいる人は、この3本柱の観点でどこに課題があるのかを考えてみるといいかもしれませんね。