本ブログの趣旨は、「【マーケティング×チームビルディング】で売れるチームを作る」というものですが、なぜまったく別の分野である「マーケティング」と「チームビルディング」を組み合わせる必要があるのでしょうか。
と思う人も多いかもしれません。
ということで、なぜこれらを組み合わせることが有効なのか、この記事で明らかにしていきます。
もくじ
そもそも、チームビルディングって何?
チームビルディングって、まだそこまで一般的な言葉じゃないと思うんだけど、そもそもどういう考え方なんだろう?
目的達成のために、メンバーが最大限能力を発揮できる環境
まず、チームにとって機能するために大切なことは、「メンバーの一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮すること」です。
「チーム」という言葉は、もともとスポーツの世界にあった言葉で、単純に性質でカテゴリ分けした「グループ」との違いは、共通の目的を達成するための集団であることになります。
つまり、ある共通目的をもったメンバーが、それぞれ最大限のパフォーマンスを発揮することで、その目的を達成できるようなチームを構築していく取り組みのことを「チームビルディング」と呼びます。
なぜ今、チームビルディングが必要なのか
現代は、大量生産・大量消費の時代が終わり、ニーズをピンポイントに捉えた多様な商品が求められ、さらに短期的にトレンドが移り変わるようになりました。
そのような時代にあって、従来のようなピラミッド型の組織では、消費者の要求に応えるのが難しくなってきました。
いま必要なのは、現場レベルで自らの動き方を考え、実行していくことで実現する「スピード感」や「リアル感」。
そのためには、自律的に行動でき、また時代に取り残されることなく学習を続ける人材が欠かせません。
そうしたときに、どんなに優秀なメンバーがいても、各々が闇雲に動いたのでは、組織としての目的は果たされない。
そこで、個人のパフォーマンスを重視しつつ、全員が組織のひとつの目標に目を向けるような組織をつくり上げていくための「チームビルディング」の考え方が注目されるようになってきたんです。
マーケティングとチームビルディングをかけ合わせる意味
お客様からの相談。どこから考える?
まず、ひとつ質問。もし、お客様から「このスーツブランドの認知度をもっとアップさせたい」と相談されたら、どんなことを考える?
じゃあ例えば、再ブランディングをすることになって、「高級志向」を打ち出す戦略に大々的に舵を切っていくとする。そうしたら、具体的に何に着手する?
マッキンゼーの7S
「7S」というのは、アメリカの大手コンサルティング会社マッキンゼーが、企業の経営戦略を「3つのハードな要素」と「4つのソフトな要素」に分類し、それぞれの相互関係を表した考え方のことを指します。
ハードの3S
【戦略|Strategy】
自社が競争優位に立っている理由や、事業の方向性、課題、どこに経営資源を投下するかといった計画。
【組織構造|Structure】
文字通り、組織の構造。組織図と、どこに権限があるか。
【システム|System】
組織内で決まっているシステム。給与や管理体制、人事評価制度など。
ソフトの4S
【価値観の共有|Shared value】
組織の存在意義、価値観、理念。
【経営スタイル|Style】
組織の風土や社風、意思決定フローや行動規範。
【人材|Staff】
組織に所属している人材。所属している人のタイプや、リーダーシップのあり方も含まれる。
【能力|Skill】
所属している人材がもつ独自の能力。ひいては、それらが相互的に作用したり組み合わさることで生まれる組織としての能力。
「価値観」を中心として組織が構成され、この7要素が相互的に関係し合うことで組織の目的が達成されていくことになります。
組織の課題を分析したり、経営方針を見直していく際に有効なフレームワークです。
一般的に、比較的手を加えやすいのがハード3S、変更に時間や労力を要するのがソフト4Sとされています。
マーケティング施策だけ見直せばいいの?
じゃあ、「高級志向」を打ち出す戦略を立てて、店舗の雰囲気やホームページ、広告の見せ方をガラッと変えたとする。でも、これだけで本当にブランドイメージはちゃんと変わるかな?
チームビルディングの3要素
チームビルディングには、大きく「人材力」「組織力」「関係力」の3つの要素があります。
これらを強化していくことで、目的達成に向けて最大限のパフォーマンスを発揮するチームがつくられるんですね。
後日の記事で細かく掘り下げていくとして、今回の記事では簡単に説明していきます。
まず「人材力」はメンバーの強みや思考・行動特性、あるいは適切な配置のこと。
そして、それを正しく把握することが、チームビルディングをするうえで求められるひとつ目の要素です。
続いて「組織力」は、組織の理念やビジョンとメンバーの強みを結びつけて、目的達成に向けて動いていく力。
3つ目の「関係力」は、メンバー同士のやる気を引き出すコミュニケーションや、得意分野で補い合う関係性のことを指します。
この3要素を見て、なんとなくマッキンゼーのソフト4Sとリンクする感じがしませんか?
人材力 → 「人材」
組織力 → 「共有の価値観」「経営スタイル」
関係力 → 「スキル」
この通り、チームビルディングの考え方は、7Sのフレームワークと非常に相性がいいんですね。
ソフト4Sを組織にとって理想の形に近づけていくために、リームビルディングのノウハウは大いに活かすことができます。
それぞれどういう部分をどのように強化していけば良いのか、ということに関しては、今後の記事でどんどん解説していきます。
だからマーケティング×チームビルディング
ターゲットや競合を研究し、広告戦略を練って、クリエイティブを作り込んで、徹底的にブランディングして、いざ市場で勝負!
とやったのに、どうにもうまくいかない。
そんなケースは、きっと山ほどあると思います。
そうしたときに、「広告の内容が悪い」「ターゲット設定を見直そう」という観点でも十分に検証する余地はあるでしょう。
ただ、そのマーケティング施策を実行するにあたって、組織としてマッチしているか? メンバーはきちんと理解を示しているか?
という視点も忘れずに。
実際のところ、ゴリゴリにマーケティング戦略を練っても、社員がついてこない…というケースも実は多いんです。
そこで、メンバーの能力不足とか、やる気の問題と捉えてしまうと前には進めません。
今いるメンバーで、目的に向かって努力していけるチームをつくり上げることも経営者やリーダーの役割です。
ぜひ、ここにチームビルディングのノウハウを取り入れて、「売れるチーム」を目指しましょう。
今回の記事のまとめ
- 各自が最大限のパフォーマンスを発揮できる組織をつくるのが「チームビルディング」
- 企業の経営戦略の要素を表すフレームワーク「マッキンゼーの7S」
- チームビルディングで「価値観」「人材」「経営スタイル」「スキル」のソフト4Sを構築できる
- マーケティング施策を効果的に実行するためには、適切なチームがあることが必須